2024/04/04 10:10
こんにちは。生パスタ伝道師、ヴィアデッラキエーザです。
皆さんはパスタと言えば何を思い浮かべますか?
穴の開いたマカロニ。先の尖ったペンネ。
平打ちの、きしめんのようなフェトチーネ。
もちろん我らが王道スパゲティ!
一見当たり前のようですがこれらのパスタは全てフォークを使って食べますよね。(多くの日本人女性がスプーンの上で器用にスパゲティを巻き巻きして食べるのを見かけますが。)
実は!なんと!
パスタの中にはナイフとフォークで食べる種類の物があるんです。
その名は「トルテッリ」tortelli。
生パスタには生地を薄く伸ばしてその中にいろいろな食材を包んで作る“包み系のパスタ”とうカテゴリーがあります。トルテッリも包み系パスタの中の1つなんですが。
今回は数ある包み系パスタの中でも最もポピュラーなトルテッリについてお話します。
目次
1 トルテッリとは?
2 中に詰める食材は?
3 どんなソースが合うのかな?
1 トルテッリとは?
トルテッリ。可愛い名前ですね。
トルテッリはイタリア北部のロンバルディア州、エミリアロマーニャ州。
中北部のトスカーナ州で伝統的に食べられていす。
どちらかというと、寒い地方でよく食べられます。
(パスタは各地方によってかなり特長が異なりす)
語源はというと、あまり参考になるものはないのですが、ドイツ語の”torute トルテ“。ケーキ作りでよく見られるタルトの原型みたいなものではないかと思われます。
中に詰め物をしたり生地の上に食材を置いて焼いたりと料理やデザートなどいろいろな作り方がありますね。
数ある種類のパスタの中でも詰め物をしたパスタは実はたくさんありますが、トルテッリと呼べるものはどうゆうものを指すのか?皆さんご存知ですか?
皆さんがよく知っている包みパスタはもしかして、
“ラビオリ” ではないでしょうか。
ラビオリも中に詰め物をしてるし、、、、どこが違うのか?
実は形の違い(包み方の違いなんです)。
ではどう違うのか知りたくなりますよね。
ラビオリはこんな感じです。⬇
薄く伸ばした生地の上に詰め物を置いてその上からもう1枚生地を置き、生地と生地をくっつける。今回はまるい形にしましたが、これも大変可愛いですね。
では次はトルテッリの包み方。
実はトルテッリの包み方もいくつかあるので今回は
オーソドックスなものを紹介します。
まずは薄く伸ばした生地の上に詰め物をおきます。⬇
そして生地の角と角が重なるように閉じます。
京都のお菓子、八つ橋みたいですね。
そして両サイドの角と角をくっ付けるように折り曲げると、、
あら可愛い❗ イタリア版、餃子の王様。
これぞトルテッリ!
他にもこんな形だったり、
こんなだったり、
生地に食材を練り込んで、その色を出してこんなにカラフルにしてみたり。
いろいろなタイプがありますね。
形も色もバリエーションが豊富です。いろいろな形を作ってみたくなりますね。
(詳しい作り方は、、、、また違う記事で)
2 中に詰める食材は?
次は中に何を詰めればいいのかな?と思いますね。
1番代表的な詰め物があります。それは、リコッタ
チーズとホウレンソウを合わせた物。
作り方を簡単に説明すると、リコッタチーズを滑らかな状態になるまで混ぜてボウルに入れます。そして柔らかく下茹でして細かく刻んだホウレンソウ、パルミジャーノレジャーノ、塩、胡椒などをリコッタチーズと一緒にまぜるだけ。
簡単ですね。パスタの詰め物の定番です。
間違いなく美味しいし、味にうるさいイタリア人も納得してくれます。
しかし、、、あれ?
でも、リコッタチーズ、、、、日本ではなかなか冷蔵庫に常備しているご家庭ないですよね。
えーどうしよう、、、大丈夫です。安心してください。
中に詰める物は実はなんでもいいんです。
もちろんある程度のセオリーというか食材同士の相性などもありますが基本的にはお肉だったり、魚介類、お野菜全般、全部いけます!何でも大丈夫です!
ここにもイタリア料理の懐の深さを感じますね。
その代わり、やっぱりちょっとしたコツみたいな物があるのでその辺を少し説明しますね。
必要な物が1つだけ、それはフードプロセッサー。
なくてもいいけどあったほうが断然速いし面倒くさくないので是非これだけは用意して欲しいです。
あとは簡単!
お肉系は生のままフードプロセッサーにかけるだけ。魚介類も生のまま。お野菜は下茹でしたものを冷めてから、これもフードプロセッサーにかけるだけ。
要は何でもいいんで細かくみじん切りにしてペースト状にしたものを作るだけ。
そしてここが「ポイント❗ 」。少しだけ『粘度』をつけてあげること!
どういうことかと言うと、お肉と魚介類はフードプ
ロセッサーにかけると自然に粘り気が出ますが、野菜はそれだけではなかなか粘度が出ません。そこで粘りを出すためにひと工夫いります。
それはジャガイモなどのグルテンのあるイモ類などを一緒の入れるか、もしくはパルミジャーノレジャーノなどのいわいる粉チーズと一緒に混ぜるのです。
そうするとちょうど良い粘度がでて詰め物にぴったりの材料ができます。
ミックスするのもオススメです。お肉と野菜とか魚介と野菜もいいですし、つなぎにパン粉や生卵などを入れたりもします。
ただ、、、、、お肉と魚介のミックスはお互いの自己主張が強いので難しい。決して駄目ではないですがなかなかのセンスを必要としそうです。
以上のポイントに気をつけていろいろな詰め物を作りましょう。
3 どんなソースが合うのかな?
中に詰めるものも出来てトルテッリも綺麗に包めた
し、あとはどんなソースと合わせるのか?
いくつかヒントがあるように思えるのでまずはそこから。
1つは詰めた食材と相性の良いソースを作る。
お肉の詰め物で作った場合は、お肉系のソースが合います。魚介類で作った場合は魚介系のソースが合います。というように詰め物と同系統のソースが合わせやすいですね。そして詰め物が野菜の場合はどちらとでも相性が良いといった法則のようなものがあります。
実はこの法則のようなものはイタリア料理を作る時に意外と役に立つ考え方です。
一見当たり前のように感じますがこの、
(肉) (魚) (菜)
の3つのカテゴリーをよく把握して頭の中で理解していると「さて、何を作ろうかな?」という時に意外と悩まなくてすむと思います。食材同士の属性を理解する、みたいな感じですね。ここを抑えておくとシンプルな味の足し算や引き算。より濃厚で複雑な掛け算をした味を出せるようになります。
このあたりの難しい話はこのへんで。
(もっと詳しい食材の関係は今後あらためてお伝えしていこうと思います。)
2つ目と3つ目は今お話しした1つ目のポイントを
守ったうえで、その先のお話ですが、まず2つ目は
「仕上げに乳製品を使って仕上げる」です。
すごくアバウトな表現ですが要は濃厚なソースに仕上げようということです。
ここでいう乳製品とは大きく分けると3種類です。
バター。チーズ。生クリーム。
まずはバター。
これは意外と簡単で、仕上げに冷たいバターを適量切ってソースの中に入れます。
フライパンをクルクル揺すりながら余熱でバターを溶かしていきます。そうするとトロッととした濃度がついたソースに仕上がります。料理の世界ではこれをバターモンテと呼びます。
チーズの場合も基本的にはバターと同じですが、チーズには粉チーズ、クリームタイプ、ウォッシュタイプ、ハードタイプなど種類が多岐にわたるため使い方が難しいです。バターと違って1つ1つの味、酸味、塩分濃度どれも様々、特徴をだしやすく使いこなせばプロ顔負けの味も出せます。ただ、使い方を間違えると逆効果になります。
ここで詳しくお話するとこのテーマだけで1記事書
けるぐらいのボリューになるので詳しい解説は今度
じっくりとしたいと思います。
最後に生クリームの使い方。これも最後に入れて仕
上げ、クリームソースを作るわけですが必ず守って欲しいことがあります。それは、動物性の乳脂肪分が30%以上のものを必ず使うこと。
(お値段が結構高いですけど!それと実は生クリームにはたくさんのメーカがあり、いろいろなタイプの商品があります。この各生クリームのそれぞれの特徴を理解しないと失敗してしまいます。)
理由は植物性の脂肪分が低い物を使うと熱で分離してしまい水みたいにサラサラのスープみたいになってしまいます。濃度を出すどころか逆効果になってせっかくのソースが台無しに!
ですからいろいろある生クリームの中でもしっかりとした商品を選ぶことを忘れないでください。
3つ目は煮込み系ソースです。
(私はこのタイプのソースが一番好きです!)
肉や野菜を大きな塊で時間をかけて煮込みしっかりと煮崩す。
「煮崩す」がポイントです。それをソースにする。イメージ出来ますか?イタリアではこのソースの事を「ラグー Ragu」と呼びます。これもここでは深くお話しませんがイタリア料理、特にパスタのソース作りには欠かせない調理法です。ぜひマスターしたいポイントですね。(この辺りもまた詳しく記事にします!)
最後に、、、
以上がトルテッリについてです。
パスタの中でも作るのにちょっと手間がかかり工程も多いですが作ることが出来れば間違いなく2ランクは上の食卓が演出できることは間違いないでしょう。
麺ではないパスタ、包み系パスタのトルテッリ。
イタリア版、餃子の王様みたいなパスタですが生地と詰め物とソースにまでと、どこまでもこだわればキリがないほど奥の深い、懐の深いパスタ。
スパゲティ作りに少し飽きてきた方にはぜひ興味を
持っていただきたいパスタの1つだと思います。
ナイフとフォークで食べるリッチなパスタをぜひ日本でも広めていけたらいいなと思いこれからも毎日のパスタ作りに励みます。
長いブログになってしましましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。
これからもイタリア料理、パスタについて色々な情報を発信していきたいと思っています。
お時間があればまた読みに来てください。
大分県大分市中央町3-6-3
097-560-0070
ヴィアデッラキエーザ