2024/03/28 09:18


こんにちは。


生パスタ伝道師、ヴィアデッラキエーザ です。




『突然ですが皆さん、
スタの定義って何だと思いますか?』


うーん、、、、突然難しい質問ですね。
では、もう少し簡単な問いかけだとしたら、、、


パスタとは何のことを指すのか?



えー? パスタはパスタじゃん!
パスタ= (イコール)スパゲティじゃないの?
そんなの深く考えたことないなー。

なんて意見が聞こえてきそうですね。
そうなんです。
実はパスタには皆さんが知らないもっと知られざる
一面があるんです!
(ちょっと大袈裟ですが)

今回はそんなパスタの意外な(?)知られていないお話をしていきたいと思います。




目次

1 パスタの定義?(言葉の意味)

2 パスタは大きく3種類に分けられる?

3 実は本国イタリアでも地方によって食べられるパスタは違う?

4 イタリア人が最も愛して止まないパスタは!?






1 パスタの定義 (言葉の意味)


パスタとは?




まず、パスタって何のことを指す言葉なのかな?
私の個人的な意見ですが日本では
『パスタとはスパゲティのこと』
と思われている方が一般的だと思います。
それは別に不思議なことではなくてごく自然なことだと思います。
何故なら、一般的なスーパー、量販店に行けば必ずといっていいほどスパゲティはあります。反対にそれ以外のパスタはマカロニくらいでは?
(他にあるとしたらペンネ?)

飲食店で食べるパスタといえば95%以上はスパゲティではないでしょうか?
(あくまでも一般論です。)

最近はコンビニでもお惣菜パスタを買えるようになりましたが、そこにもありふれるパスタはこれまたスパゲティ!

そうなんです日本はパスタといえばスパゲティだと信じ込まされた国なんです!(冗談です!)

では何故、そうなったのか?
こちらも私の個人的見解ですが、日本は世界で最も『麺文化の発達した国』だからです。
蕎麦、うどん、そうめん。これらは日本古来の麺文化から生まれた食べ物。
焼きそば、ちゃんぽんも今や日本の麺文化の一つです。
ラーメンに関してはもともは中国のもの。しかも麺発祥の国!
そのラーメンを日本人は自国の食文化に合わせ、麺もさることながら、独自のスープを作り出しアレンジにアレンジを重ね、見事、本国中国を凌ぐ新しいーメンを作り出しました。
(もしかしたら日本人主観の意見?)
世界的にみると今やラーメンは日本の専売特許みたいなもの。
世界中で愛される日本のラーメン。
こんなに麺好きな日本だからスパゲティが愛されないはずはない。
そうです日本人は麺をこよなく愛する国民なんです。おそらく、スパゲティはパスタの中でも日本人好みのパスタなんです。
ここまでが日本人がパスタをスパゲティだと思う理由です。

そしてもう一つの推測。
『パスタって麺のことじゃないの?』

違います!パスタとは麺のことだけではないんです。
ではパスタはスパゲティでもなければ麺でもない!じゃあ、一体何なんだ!?
そういう声が今にも聞こえてきそうですね。
では、そのパスタ(PASTA)の意味は?その正体は、、、、?

それは『生地』なんです。(厳密には捏ねた物)。意外ですね。
(ちなみに、イタリア語の im-pastare (イン-パスターレ)は動詞の捏ねるを意味します)

要は小麦粉やその他の粉類と水や卵、その他の水分を混ぜ合わせた物。これがイタリア語の名詞としての『パスタ』の定義です。
ですから、パンの『生地』、クッキーの『生地』、ケーキの『生地』、ピッツァの『生地』も全てパスタといいます。

ただ誤解しないでいただきたいのはイタリアでも一般的に会話の中で『パスタ』と言えば日本と同じく食事で出てくる料理としての『パスタ』のことを指しす。(スパゲティ、フェトチーネ、マカロニ、ペンネ、etc)

ただ、スパゲティや麺のことだけを指しているのではないのです。というわけで、、、、




2 パスタは大きく分けて3種類に分けられる?




ここまできてようやく、このブログの本題が具体的になってきました。要はパスタには実はさまざまな種類のものがあり、それは、それは多種多様なんです。その数およそ数百種ともいわれています。そしてそのパスタを大きく3つのカテゴリーに分けることができるんです。

まずは、


1 ロングパスタ

直訳すると長いパスタ。そうです麺です。
だだし麺の種類も沢山あります。
例えばスパゲティの仲間にも細いスパゲティ、中くらいの太さのスパゲティ、太いスパゲティ。
スパゲティは断面が丸いですが断面が四角い麺もあります。(楕円のものもあります)
太いスパゲティに穴のあいたストローのような物あります。あと、長い物の中には平打ちの麺もあります。薄くシート状に伸ばした生地を3ミリ~4ミリ間隔で切っていくと平打麺ができます。これもまた幅を狭くしたり、広くしたりと様々です。

そして、


2 ショートパスタ

その名の通り短いパスタ。
日本の方には馴染みの薄いショートパスタ。
しかしパスタの中では一番種類が多いんです!おそらく数百種類以上あると言われるパスタの半数以上はショートパスタだと思われます。(知らなかったー!)
しかもイタリアではショートパスタはすごく人気があります。
日本であまり見られないショートパスタはイタリアでは各地で食べられています。(これも意外ですよね)
メチャクチャいろいろな種類があり、それらはとても個性的です。
どうやってこんな形になるんだろう?って思うものばかりです。
しかし、ここでショートパスタの形状や作り方をお話しするとほんと‼ キリがないのでここでは控えます。
(今後、各ショートパスタごとの記事を書くときに
しっかりとお伝えします。)

最後に、、、



3 包み系のパスタ

先ず、包み系のパスタとはどんなパスタなのか?
解りやすく説明すると『イタリア版 ギョウザ』がイメージしやすいと思います。
ようは薄く伸ばしたパスタ生地の中に食材を包んで食べよう!ってことです。
これらのパスタは皆さんには一番馴染みの薄いカテゴリーではないかと思います。食べたことも見たことも、聞いたことも無いという方は沢山いると思います。
それもそのはずイタリアでも決して全ての地域で包み系のパスタは一般的ではないからです。
その理由はパスタの中でも一番種類が少ないから。
また、主にイタリアの中部より北の比較的寒い地方で食べられることが多く、南イタリアではあまり頻繁に食べられないパスタなんです。

また、パスタを作るにも生地を作って、詰め物を作って、ソースを作ってとなかなか大変です。そういう理由もあってイタリアでもその他のパスタより食べる機会が少ないのではないかと思われます。
しかしそのぶんパスタの完成度、特別感はより高いように思います。

先ほど、イタリア版餃子と言いましたが、あくまでもイメージです。餃子ととは似て非なる物です。
やっぱりパスタです。イタリアらしく可愛いらしく愛おしい形のものが多いです。
イタリア人の創造力や遊び心は偉大です。
なぜならいろいろな食材を同じように包んだだけでは面白くない!
色々な食材をいろいろな包み方にして見た目も食感もさまざまで、とても個性的なパスタのカテゴリーに作り上げました。
この包み系パスタについても今後、各パスタごとに詳しくお伝えできたらと思います。



4 実は本国イタリアでは地方によって食べられるパスタは違う。!?








これも意外だと思われるかもしれませんが事実です。
理由はいくつか考えられらます。
まず、数あるパスタ全てに発祥の地があるということです。当たり前ですが。
そしてここが大事なことですが

『その土地で生まれるべくして生まれてきた』

ということです。
暖かい土地と寒い土地では人の生活様式が違います。また身体が欲しがる物、欲しがる栄養分なども違います。それに摂れる食材も違います。

内陸の山間部で取れる野菜や農産物。自然に自生する植物。生きている動物。

また海に面した地域では当然新鮮な海産物が豊富。

まず、人が住んでいる環境(自然)がありその環境沿った生活様式が自然にできていく。当然食生活それに沿って創られ進化発展していくのだと思います。

ですからパスタもその土地に合った、その土地の人たちの身体が自然に求めるものが自然と出来上がっていったのです。
なので自然とその土地ならではの作り方や製法、形や食べ方が出来上がったのだと思います。またイタリア特有の地形も関係があると思います。
南のシチリアはすぐ下がアフリカ大陸というほど緯度が低く、反対に最北部に近いミラノのすぐ上にはアルプス山脈が控えています。
さらに、西部沿岸は地中海、東部沿岸はアドリア海があり国土の大半が海に囲まれています。
ここまでお伝えしたら、鋭い方はお気づきになりましたか、、、、?

そうです!そうなんです!
実はイタリアの地形と私たち日本の地形に大変よく似た環境なんです。その上、緯度の位置も日本とイタリアは大変近い位置のあるのです。
(私個人的にはこのあたりの類似点もイタリア料理に対する日本人との相性の良さみたいなものを感じられずにはいられません。)

では地方によって食べられるパスタはどう違うのか?
これにもいくつかの法則みたいなものがあると思います。それは大きく分けてこれら2つの違い、

○寒いか暑いか?

○内陸部か沿岸部か?

人は寒いとこってり濃厚な食べ物を好むと思われまます。
(例 バター チーズ 生クリームなど)
また、暖かいとスッキリ、さらっと、あっさりとした物。
(例 オリーブオイル 柑橘系 あっさりした野菜(トマト)など)

内陸部は周辺で摂れる植物や動物
(例 キノコ 山菜 ジビエ)

沿岸部は新鮮な海産物
(例 魚介類 海藻 海産物の加工品)

などが考えられると思います。
そしてそれらの食材(ソース)に合ったパスタ(生地)が自然と考えられていった。
寒い内陸の土地ではバターやクリームをたくさん使うのでパスタ(生地)は卵のたっぷり入ったリッチな味わいのパスタ(生地)や熱々のラザニアを作るのに適したパスタ(生地)だった。
反対に暖かい海辺の周辺では魚介類の入ったオリーブオイルたっぷりのソースに合うパスタ(生地)。
細くてプリッとした歯応えのある乾麺(生地)。
また新鮮な生のトマトを使ったフレッシュな酸味のあるソースには卵を使わないモチモチとしたショートパスタ(生地)を合わせる。

といったようにパスタはその土地との結びつきがとても強く、環境や気候、風土にとても影響を受け生まれてきた物なのです。
(おそらく、イタリアに限らずほとんどの国や地域の食文化で同じような法則があると思いますが)
あくまでも一般論なので現実は決して私の私見のとおりではありません。
しかし、パスタも他の料理と同じ郷土料理の一つなのだとわかりますね。



4 イタリア人が最も愛して止まないパスタは!




これまでのテーマにも私の個人的私見が沢山含まれていますが、このテーマは最も私見まみれのテーマだと思って読んでください。
でも、あながち間違ってないとも思っています。

イタリア人が一番好きなパスタは?

そんな質問自体ナンセンスな匂いがしますよね。なぜなら沢山あるパスタ(生地)の種類から1つを選ぶのなんて難しいし、その上数え切れないくらいのソースがあるわけだから、

パスタ(生地)とソースを掛け算✖ したら凄い数のパスタ(料理)になる。

そんなの決められっこないよ!ってイタリア人から言われそうです。
でも私はこのテーマの解を求める事に一時期大変こだわりました。

なぜか?
それは、パスタはイタリア発祥の料理。その上パスタはイタリア料理の代名詞。イタリア人は本当にパスタが大好きです!
私もパスタを作ることを仕事とする以上、本場イタリアではどんなパスタが食べられているのか?どんなパスタ(生地)と、どんなソースが合わされるのか?(生地とパスタの相性)をとても深く考えました。

また、日本人が食べているパスタってイタリア人がべても美味しいって思うのかな?など、、、、たくさんの疑問を持っていました。(どうせやるなら、本場の人にも美味しいって言ってもらえる物を作りたかったから)

では、どこから何を学ぶべきか?

当然それまでにもたくさんのパスタや料理を作っていました。
いろいろなイタリア食材や調味料も使って料理しました。
イタリアにも行ってみました。
歴史や文化、イタリア語も勉強しました。
イタリア料理を美味しく作ることができるようになったかな?と少しは思えるようになりました。
でもやればやるほど、色々な料理を作れば作るほど、幅は広がるばかりで、何か一つに集約された『核』みたいなものが欲しくなっていきました、

れはなんだ?!

『イタリア人のソウルフード』

『あなたに最後の晩餐があるとしたら、あなたはその時、何を食べたいですか?』
“それ“、、、、を美味しく作ることがイタリア料理を美味しく作るために一番おさえておくべき事では。

なぜか私、そんな考えを持つようになりまして、、
妄想だな。笑)

現地イタリア、行く先々の都市や街で通りすがる人達に二つの質問をするのが私の習慣になっていました。

一つ目は、
『この町でしか食べることのできない、この町の名物料理を教えてくれないかな?そしてその料理を一番美味しく食べさせてくれるお店はどこ?』

この質問は地元ひいきのイタリアっ子の気分を良くするらしく、鼻を高くして胸を張って自慢げに教えてくれました。

そしてもう一つの質問は初めの質問に快く答えてくれたイタリア人に会話の最後、おまけ程度のつもりでこう問いました。

『では、あなたが一番好きなパスタはなんですか?』

その答えは
『spaghetti al pomodoro 』
スパゲティ アル ポモドーロ
(トマトソースのスパゲティ) 

もちろん、私の数知れた街頭インタビューの信憑性のかけらもないデータですが、、、ほとんどの方は同じ答えでした。
なんの変哲もない、驚きもなく。
どこでも食べれるじゃん。トマトソースのスパゲッティ。
(しかも乾麺!私は生パスタを作ることを天職としているのに!笑)

でも、意外と腑に落ちました。
安心しました。
やっぱりそうかと。
やっぱり引き算なんだと。

美味しいトマトソースのスパゲティ。
一見簡単そうですが、美味しく作るの難しいですよね。

シンプルに見えるけど難しい。
あたりまえに美味しい。あたりまえだけど難しい。
この経験から私は私にとってのイタリア料理を以下のように定義しました。

『シンプルだから美味しい、シンプルだから難しい、イタリア料理』


私の作るイタリア料理はとてもシンプルです。
イタリアのオリジナルレシピに忠実です。
イタリアのお母さんだったらこうやって作るんじゃないかな?って想像してレシピを考えます。
そしてイタリア人が食べても美味しいと言ってもらえるイタリア料理を作りたいと思って毎日頑張っています。
(もし、あなたがイタリア旅行に行ったり、あなた
にイタリア人の知り合いがいたら、

『あなたが一番好きなパスタはなんですか?』
と聞いてみてください、、、、、)


Buona petito‼️


Viva italia❣️



長いブログになってしましましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。
これからもイタリア料理、パスタについて色々な情報を発信していきたいと思っています。
お時間があればまた読みに来てください。


大分県大分市中央町3-6-3
097-560-0070
ヴィアデッラキエーザ