2024/04/04 20:45
こんにちは。生パスタ伝道師、ヴィアデッラキエーザです。
パスタにはたくさんの種類があることは何度かお話してきました。
その中のスパゲットーニって言うパスタご存知ですか?

👆 こんな太さ

👆 生パスタだとこんな感じ
(スパゲティじゃないの?)
違います、『スパゲットーニ』です。なかなか聞き慣れない名前だとは思いますが、今回は皆さんが一番食べることが多いパスタ、「スパゲティ」と少し聞き慣れ
ない「スパゲットーニ」の違いをご紹介をしたいと思います。
目次
1 呼び名の違い
2 形の違い
3 相性の良いソースは?
1 呼び名の違い
スパゲティ spaghetti
おそらく世界で一番食べられているパスタの麺ではないでしょうか。認知度、消費量共に世界一のパスタ。
語源は「ひも」を意味するspagoの縮小辞
spaghettoの複数形。
スパゲティ、スパゲッティ、スパゲティー、など呼び方は様々。
一方、スパゲットーニ spaghettoniもちろん語源はスパゲティ。
スパゲティよりも太い麺。
イタリア語では語尾を変化させることによって男性名詞、女性名詞や単数、複数、大きい、小さいなどを表すことができます。スパゲットーニもその様な表現のひとつ。「太めのスパゲティ」と覚えておくとよいでしょう。
ちなみにスパゲティより細い麺のことをスパゲッティーニと呼びます。
2 形の違い
一般的なスパゲティは直径が1.4ミリから1.7ミリくらいの丸い細長い麺。長さは約25センチ。意外と知られていませんが麺の表面はソースが良く絡むようわざとザラザラに加工されています。
スパゲットーニは約1.7ミリ以上の太さ。メーカーによってさまざまですが、あまり太すぎると食べたときの食感や茹で時間の問題などで1.9ミリが1番太いようです。これは乾麺でのお話ですが生麺だとまだ太い麺はあるようです。
その点でも生麺の方が太さや形状のバリエーションではアドバンテージがありそうですね。
では、ここからはスパゲティ、スパゲットーニと相性の良いソースのご紹介をしたいと思います。
『プッタネスカ puttanesca』

娼婦が仕事の後にこのパスタでお客をもてなしたと
か、女性が男性を引きつけるために用意するパスタとか諸説あり。
どちらにしろ、どこが怪しげな魅力を感じさせる名前ですね。
作り方は意外にシンプル。
まずニンニクの香りを移したオリーブ油に、
アンチョビ、ケイパー、オリーブの実を入れてからトマトの水煮を加えます。
フライパンで軽く煮たせたら出来上がり。アンチョビの塩気とケイパーの酸味、オリーブの香りがトマトソースにうまく馴染んだらまさしく「娼婦風」!
上手くこのソースを作ることができたら、このソースを考えついたイタリア人に脱帽すること間違えなしでしょう。
『アーリオ オーリオ エ ペペロンチーノ
aglio olio e peperoncino」

イタリア語でアーリオはニンニク、オーリオはオイル、ペペロンチーノは鷹の爪。ニンニク、オイル、鷹の爪と塩のみで作るシンプルな一皿。
ニンニクの香りとオイルのコクと鷹の爪の辛味のバランスがとれてはじめて美味しくなるパスタです。
ポイントはオイルと茹で汁の乳化!
パスタを合わせる前にフライパンをクルクルと回してオリーブ油と茹で汁でトロンとしたソースを作ります。そこによく水気を切ったパスタを入れてパスタに乳化したソースを吸わせるイメージ。シンプルだけに作り手の個性がそのままでるようです。
このパスタが上手く作れるようになればあなたもパスタ名人かも、、、、
『カルボナーラ carbonara』

卵、生クリーム、粉チーズ、粗挽きの黒胡椒、グアンチャーレが主な材料。
グアンチャーレとは豚ほほ肉の塩漬け。
日本では豚バラ肉のベーコンで作るのが一般的です
が、本場イタリアではベーコンではなくグアンチャーレ!味の決め手はここかもしれませんね。
作り方は、フライパンて肉の食感が残るよう厚めに
切ったグアンチャーレをオリーブ油で軽く炒めます。
そしてここがポイント!フライパンの中に少量のパスタの茹で汁を入れ、軽くゆすってフライパンの温度を下げます。そうすることで卵の温度が急激に上がるのを避けボロボロのそぼろ状になるのを防げます。
それから生クリームと卵黄、タップリの粉チーズと黒胡椒を加えクリーム状のソースを作り、そこに茹で上がった麺を入れしっかりとソースを絡めたらお皿に盛ってさらに粉チーズと黒胡椒を振りかけて出来上がり。
濃厚で贅沢なパスタ。
本来は生クリームを入れずに卵黄と粉チーズだけで
作っていたそうですが生クリームを入れた方がより一層リッチでクリーミー。
ちなみに「カルボナーラ」とは炭焼き職人風という意味だとか。
その昔、炭焼き職人が仕事を終えた後、
炭で汚れた手でパスタを作り、その上に落ちた炭を粗挽きの黒胡椒で見立てたなんてお話も。
以上が「スパゲティ」と「スパゲットーニ」のお話でした。
なかなか聞き慣れないしお目にかかることの少ないスパゲットーニですが、その噛みごたえ存在感はスパゲティとはまた一味も二味も違ったもの。
この機会に是非、本場イタリア仕込みのスパゲットーニを試してみてはいかがでしょうか。